家の鍵が閉まらず、困っている人もいるのではないでしょうか。鍵が閉まらないことには、いくつかの原因が考えられます。鍵に不具合が起きたときは、無理になんとかしようとせず、適切な対処法をとることが重要です。
本記事では、鍵が閉まらない5つの原因とそれぞれの対処法、鍵が閉まらないときにしてはいけないことや自力で直せないときの対処法を紹介します。
鍵が閉まらなくなったら、まずは落ち着いて原因を探ってみましょう。
鍵が閉まらない原因1:鍵穴に埃や異物が入っている
鍵が閉まらない原因としてよくあるのは、鍵穴に異物が入っていることです。台風など風の強い日のあとに起こりやすい現象ですが、毎日少しずつ異物が溜まるケースもあります。
埃や異物が鍵穴に入ると、鍵とシリンダーがうまくかみ合わなくなります。特に、玄関先に屋根がない場合は、雨や風によってゴミが入りやすいので注意しましょう。この場合、以下の対処法が効果的です。
【対処法】鍵穴の掃除をする
異物が入っている場合は、鍵穴の掃除で解決することがあります。掃除機やエアダスター、鍵穴用の潤滑剤を使って、鍵穴を洗浄しましょう。鍵穴用の潤滑剤は洗浄用としても使えるため、洗い流すように多めに注入します。潤滑剤を使ったあとは、鍵を抜き挿ししてなじませてください。
また、掃除機を鍵穴に密着させ、左右に振ってゴミを吸い出す方法もおすすめです。
なお、掃除する際は内部を傷付けてしまうおそれがあるため、針金などで内部をガリガリほじらないように注意しましょう。
鍵が閉まらない原因2:鍵・鍵穴が摩耗・変形している
鍵や鍵穴の摩耗が、鍵が閉まらない原因になっているケースもあります。
鍵や鍵穴が摩耗・変形していると、鍵が開け閉めできないといった問題が発生します。鍵は消耗品であり、寿命はおよそ10~15年です。
あるいは、サビなどによって動きが悪くなっているケースも考えられます。鍵が回りにくいと感じた場合は、以下の対処法を試してみましょう。
【対処法1】専用の潤滑剤を使用する
鍵の動きが悪いと感じた場合は、まず鍵穴用の潤滑剤で解決できないか試してみましょう。潤滑剤は、インターネット通販やホームセンターで入手できます。
潤滑剤を使用する際は、最初から大量に吹きかけないことがポイントです。最初に一吹きして数分間置き、鍵をゆっくりと抜き差ししてなじませましょう。そして、鍵が回るか様子を見ます。
潤滑剤を使っても解決しない場合は、摩耗や変形による不具合が考えられます。その場合は、以下の対処法を試してみましょう。
【対処法2】鍵を交換する
潤滑剤でも解決しない場合や、鍵を使い始めてから10年以上経っている場合は、鍵の寿命が来ている可能性が高いでしょう。その場合は、鍵を交換する必要があります。
自分で何とかしようとすると、かえって鍵を壊してしまうおそれがあります。自力ではどうにもならないと思ったら、鍵の専門業者に依頼しましょう。
昔の鍵を使っている場合、防犯性の観点からも鍵交換がおすすめです。現在では、タッチ式やスマートフォンで施錠ができるスマートキーも普及しているので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか。
鍵が閉まらない原因3:ラッチがスムーズに動かない
鍵本体ではなく、ラッチに問題がある可能性もあります。ラッチとはドアの側面についている部品のことで、ラッチボルトという三角形の部品が付属しています。
ドアが閉まっている状態では、ラッチボルトがストライクと呼ばれる穴に入っているため、ドアが勝手に開閉することはありません。ラッチボルトはドアノブと連動し、ドアノブを回すことで引っ込むため、ドアの開閉ができる仕組みです。
しかし、ラッチが不具合を起こしていると、ドアノブを回してもラッチボルトがうまく引っ込まず、ドアに引っかかって開閉ができなくなってしまいます。ラッチが不具合を起こす原因には、ラッチ内部に埃などの汚れが溜まっていることが考えられるでしょう。
【対処法】ラッチを掃除する
ラッチを掃除することで動きが改善される場合があるため、まずはラッチボルトとラッチを乾拭きしましょう。乾拭きで汚れが取れない場合は、水拭きをします。ただし、サビの原因となるため、水拭きをしたあとはしっかりと水分をふき取ってください。
鍵専用の潤滑剤を使うのも効果的です。その場合、布に吹きかけるか直接ラッチに噴射して、ラッチを開閉させてなじませましょう。
潤滑剤がない場合は、B以上の鉛筆でも代用可能です。滑りを良くしたい箇所に鉛筆をこすりつけることで、動きがスムーズになります。
鍵が閉まらない原因4:ストライクの位置が悪い
ラッチの挙動に問題がない場合、ストライクの位置が悪くなっている可能性があります。ストライクとは、ラッチボルトを受けるための部品です。ストライクの位置が悪いと、ラッチボルトがうまく収まらず、鍵がかけられない状態になります。
施錠をしたあとに、鍵が閉まっているかを確認するために、ドアノブをガチャガチャと動かすことはないでしょうか。鍵がかかった状態でドアを揺らすことは、ストライクの位置が悪くなる原因になります。
もし鍵がかかっているか確認する場合は、ドアを強く揺らしすぎないよう注意しましょう。
【対処法】ストライクを正しい位置に合わせる
ストライクの調整は自分でできます。ストライクの上下にあるボルトを緩め、ラッチボルトが収まる位置に上下左右を調整しましょう。このとき、ボルトを完全に外さないことがポイントです。
位置調整ができたら、ボルトを締めて鍵がかかるかを確認します。再調整が必要になったときのために、ボルトはまだ完全に締めないようにしましょう。位置調整が完了したら、ボルトをしっかりと締めて完了です。
プラスドライバーがあれば誰でもできる作業なので、ぜひ試してみてください。
鍵が閉まらない原因5:ドアの建て付けが悪い
ドアの建て付けが悪くなることで、鍵が閉まらなくなっているおそれがあります。ドアの建て付けが悪い場合、蝶番(ちょうつがい)がずれている可能性が高いでしょう。
蝶番とは、ドアと枠の接続部分に取り付けられている部品のことです。文字どおり蝶のような見た目で、丁番(ちょうばん)と呼ばれることもあります。
ドアの建て付けが影響して鍵が閉まらなくなるのは、蝶番のネジの緩みや蝶番自体の破損によってドアの角度が悪くなることが原因です。このほかには、地震や地盤沈下の影響で建物自体が歪んでしまっていることも考えられるでしょう。
ドアの建で付けが悪い場合には、以下の対処法を試してみてください。
【対処法】ドアの蝶番を調整する
蝶番のネジが緩んでいる場合は、位置を調整しましょう。蝶番には、蝶番自体を固定するためのネジと、上下左右に位置を調整するためのネジがあります。
位置を調整するには、調整用のネジを緩めて、ドアを動かしましょう。ストライクの調整と同じように、完全にネジを外さないことがポイントです。
ただし、蝶番にはさまざまな種類があります。調整用のネジの配置は蝶番の種類によって異なるため、作業前に取扱説明書を確認するのがおすすめです。なかには、ボルトを回して位置を調整するタイプもあります。
また、建物自体が歪んでしまっている場合は自力での修理ができないため、リフォーム業者へ修理依頼が必要です。
やってはいけない!鍵が閉まらないときの注意点
鍵が閉まらないときには、してはならないことがあります。場合によっては症状の悪化や故障につながり、自力で解決できたはずが修理業者を呼ばざるを得ない状況になりかねません。
余計な手間と費用をかけないためも、以下の4つの注意点を押さえておきましょう。
鍵が閉まらないときの注意点(1)無理に回そうとしない
鍵が閉まらないからといって、無理に鍵を回そうとするのは厳禁です。これは、鍵・鍵穴の破損や、ドアの歪みにつながってしまいます。
特に避けたいのは、鍵穴の中で鍵が折れてしまうことです。そうなると鍵が使えなくなり、業者を呼ばざるを得なくなってしまいます。余計な費用がかかるため、力任せに対処するのは避けましょう。
鍵が閉まらないときは、落ち着いて原因を突き止め、適切に対処することが大切です。もしドアが歪んでいるときは、ゆっくりと押したり引いたりしながら鍵を回すとよいでしょう。
鍵が閉まらないときの注意点(2)鍵穴専用の潤滑剤以外を入れない
鍵が閉まらないときに、潤滑剤を注入するのは有効な解決策です。このとき、鍵穴用の潤滑剤以外を入れるのは避けましょう。
鍵穴用の潤滑剤は、粉末状で乾きやすいという特徴があります。これは鍵穴内部が繊細な作りで、湿気に弱いためです。鍵穴用の潤滑剤は、潤滑させながらも鍵穴内部への影響も少なくなるように設計されています。
鍵穴に潤滑剤を注入する際に起こりうるのが、鍵穴用の潤滑剤を持っていないために食用油や自転車用の潤滑油を入れてしまうことです。注入した直後は、油によって鍵の回りが良くなるかもしれません。
しかし時間が経つと、油がベタついて埃やゴミが付着しやすくなり、鍵穴内部に異物が溜まって余計に鍵が入らなくなってしまいます。
潤滑剤はホームセンターやインターネット通販で、安いものだと数百円で入手可能です。ありものですぐに対処したい場合は、前述したようにB以上の鉛筆でも代用できます。
鍵が閉まらないときの注意点(3)ピッキングをしない
鍵穴に詰まった異物を取り出したり、鍵を閉めたりするためにピッキングをするのもやめましょう。
不用意に、針金などを使って異物を取り出したり、ピッキングをしたりすると鍵穴の内部を傷付けることになりかねません。ピッキング中に針金が折れて、中に入ったままになると、かえって修理費用が高くついてしまいます。
もっとも、素人がピッキングを行なうのは難しいものです。鍵のトラブルを自分で対処したいときは、鍵穴の洗浄や建て付けの調整など、まずは誰でも安全に行なえることから試しましょう。それでも解決しない場合は、専門業者を呼ぶのがおすすめです。
鍵が閉まらないときの注意点(4)錠の内部を分解しない
鍵によほど詳しくない限り、鍵を分解して修理を試みるのはおすすめできません。
鍵を分解すると、最後には逆の手順でもとに戻さなくてはなりませんが、精巧に作られているため、素人がその手順を覚えることは困難でしょう。分解した拍子にバネが飛び出して紛失したり、もとに戻せなくなったりするおそれもあります。
そうすると、追加で修理費用がかかってしまうため、鍵を安易に分解するのは避けてください。本記事で紹介した対処法を試してみても直らない場合は、専門業者を呼ぶのがおすすめです。
自力で修理できる?迷ったときは鍵の専門業者にご相談を
鍵が閉まらなくなる原因には、いくつか考えられます。原因が特定できる場合は、対処を誤らなければ自力で解決できるかもしれませんが、一見しただけでは鍵の閉まらない原因がわからないケースも大いに考えられます。
いろいろな対処法を試しても解決しないときや急を要するときは、鍵の専門業者に修理を依頼しましょう。いくつかの対処法を試してもうまくいかないときは、鍵内部の部品が摩耗している可能性があります。複数の箇所に問題があり、専門家でないと修理ができないケースもあるでしょう。
また、鍵には寿命があるため、経年劣化をした場合は応急処置では対処しきれません。鍵の寿命は一般的に10~15年といわれているため、使い始めから10年以上経っている場合は、交換を視野に入れましょう。防犯面においても、新品への交換はおすすめです。
まとめ
鍵が閉まらないときの原因と対処法を紹介しました。鍵が閉まらない原因には、おもに以下の5つが考えられます。
- 鍵穴に異物や埃が入っている
- 鍵や鍵穴が摩耗・変形している
- ラッチに不具合がある
- ストライクの位置が悪くなっている
- ドアの建て付けが悪い
鍵に問題がある場合、基本的には洗浄や潤滑剤の注入で解決するケースが多いでしょう。ドアに問題がある場合は、ストライクや蝶番の位置修正で直ることも期待できます。
また、原因がわからない場合や対処法を試しても解決しない場合は、専門業者を呼ぶのがおすすめです。鍵が閉まらないからといって、くれぐれも無理に力を加えて鍵を回したり、ピッキングをしたりしないよう注意が必要です。潤滑剤は必ず鍵穴用のものを使用し、サラダ油や自転車用などの油は使わないようにしましょう。
鍵が閉まらないなどのトラブルが発生した際は、暮らしの119番へご相談ください。お見積りは無料で対応し、鍵の修理は2,980円から、鍵の交換は4,980円から承ります。
お見積り後の追加料金は基本発生しないので、鍵トラブルでお困りの方はぜひ暮らしの119番へお問い合わせください。