「キッチンの排水溝のつまり、何とかしたい」
「シンクの水の流れが悪い。排水溝がつまったのかな?」
「台所の排水溝から、ゴボゴボという音が聞こえる。なんで?」
その原因は次のようなものがつまっているからです。
このページでは、キッチンの排水溝のつまりを的確に解決するための方法をご案内していますので、お役立てください。
■賃貸の場合の対応
①つまりの原因が軽い場合、早めに自分で対処する
②業者へ依頼する場合、事前に管理会社に相談をする
勝手に業者を読ぶのはトラブルの元。
つまりの原因が排水管の老朽化による場合の費用負担は管理者。
つまりの原因が汚れや異物による場合は費用負担は入居者。
ただし保険が使える可能性があるので契約書を確認する。
■分譲マンションの場合の対応
①つまりの原因が軽い場合、早めに自分で対処する
②業者へ依頼する場合、事前に管理会社に相談をする
専有部なので自分で業者を呼んで直すことになるが、管理会社が状況を把握しておくために、事前に相談すること。
キッチンの排水口のつまりの原因を解説!
キッチンは次のようなステップでつまります。
①油が排水口や排水管につく
②油に食材のカスがついて雑菌が繁殖しヌメリができる
③ヌメリに洗剤のカスもつき、ヘドロになる
④汚れの塊が排水口や排水管を塞いでつまる
調理器具や食器についた油汚れが水と一緒に流れ、冷えて排水口や排水管に付着します。
この油に食材のカスがつき、雑菌が繁殖するとヌメリができ、やがて塊となって水の通り道を塞いでしまいます。
この他、排水口を開けて掃除をしているときに、誤って落とした掃除用のブラシやスポンジ、爪楊枝などもつまりの原因になります。
キッチンの排水のつまりは「場所別の対策」で解決!
次のように、キッチンのつまっている場所ごとに対策をします。
詰まっている場所 | 対策 |
---|---|
ゴミ受け | ・掃除をする ・ナチュラルクリーニングをする |
排水トラップ(ゴミ受けの下) | ・掃除をする ・パイプクリーナーを使う ・ラバ―カップを使う ・ワイアーブラシを使う ・高圧洗浄機を使う |
排水管 | プロに依頼する |
屋外の排水桝(ます) | プロに依頼する |
それぞれの場所の役割は次の通りです。
・ゴミ受け
ゴミを受ける場所。大きなゴミはここでストップする。
・排水トラップ(ゴミ受けの下)
役割は2つある。1つは排水管に油汚れや食材カスが入り込まないようにすること、もう1つは下水の臭いや害虫の侵入を防ぐこと。
・排水管、排水溝
台所から出た排水の通り道で、排水トラップの先から床下、屋外の排水桝までの間にある。
・屋外の排水桝(ます)
台所から出た排水の中にある固形物や油汚れ、ヘドロが公共の下水設備へ汚れが侵入しないようにする仕組み。汚水枡とも呼ばれる。
台所の排水溝のつまりを直す方法は次の6つあります。
①掃除をする
②パイプクリーナーを使う
③ナチュラルクリーニングをする
④ラバーカップを使う
⑤ワイヤーブラシを使う
⑥高圧洗浄機を使う
下の種類ほど、手間がかかり、費用が高いです。
ケースバイケースで使い分けてくださいね。
【キッチンのつまり対策①】排水口の「ゴミ受け」の掃除をする
ゴミ受けを外すと水が流れるなら、ゴミ受けの汚れが原因の可能性が高いです。
放っておくと状況が悪化しますので、掃除をしてください。
掃除の仕方は簡単です。
①ゴミ受けや排水カップを取り出す
②台所用の中性洗剤とスポンジで洗う
台所の用の中性洗剤は、コンビ二や100均、ドラッグストア、スーパーなどで購入できます。
もし「ナチュラルクリーニングを試してみたい」という方は、クエン酸と重曹を試してみてください。
手順は次の通りです。
①ゴミ受けにある異物をスポンジや歯ブラシで取り除く
②ゴミ受けに重曹をふりかける
※重曹とクエン酸の割合は重曹2、クエン酸1
③お湯に溶かしたクエン酸をふりかける
※ここでシュワシュワと炭酸ガス(安全)が発生します
④そのまま30分程度放置する
⑤お湯で洗い流す
⑥ゴミ受けを取り付ける
使う道具は次の通りです。
使う道具 | 費用 |
---|---|
重曹 | 100円~ |
クエン酸 | 100円~ |
スポンジ | 100円~(使い古しでOK) |
歯ブラシ | 100円~(使い古しでOK) |
ビニール手袋 | 100円~ |
クエン酸を使う際は次の注意点を守ってくださいね。
クエン酸は塩素系漂白剤(パイプユニッシュ、キッチンハイター、ブリーチ、カビキラーなど)と混ぜると塩素ガスが発生します。
この他レモンや酢なども「混ぜるな危険」です。
掃除をしてもつまりが解消できない場合は、排水トラップを洗浄します。
【キッチンのつまり対策②】排水口の「排水トラップ」を洗浄する
台所の排水管から汚水や悪臭、ガス、昆虫が侵入してこないようにするための仕組み。
キッチンの排水トラップは2種類ある。
①ワントラップ
お椀のような蓋があり、この蓋を取ると次のように穴がある。
排水口の穴の下(キャビネット内)はこのような状態になっている。
②管トラップ(S字、P字)
画像はS字トラップ。P字は壁に排水管がつながっていて、S字は床に排水管がつながっている。
主流のワントラップタイプについてご案内していきます。
まずはゴミ受けの下のワントラップを取り外して掃除をしてみてください。
掃除の仕方は次の通りです。
①ゴミ受けや排水カップを外す
②ワントラップを取り出す
③ワントラップや中を台所用の中性洗剤とスポンジ、ブラシで洗う
これでは取れなかった場合は、次の方法でつまりを直します。
・パイプクリーナー(薬剤)を使う
・ラバ―カップを使う
・ワイアーブラシを使う
・高圧洗浄機を使う
それそれご案内していきます!
パイプクリーナー(薬剤)でキッチンの排水溝のつまりを取る!
排水管用の洗浄剤。詰まってしまった汚れの塊を中和して溶かすため、つまり解消に効果的。
濃度が高く、粘度が高い方が効果的。
キッチンの油汚れは酸性なので、液性がアルカリ性の洗浄剤を使う。
具体的には次のようなパイプクリーナーを使います。
・パイプハイター 高粘度ジェル(花王)200円~
・パイプマンスムースジェル(ライオン) 200円
・パイプユニッシュPRO(ジョンソン)300円~
なお、家でよく油を使う場合は、ピーピースルーF(2,000円~)という業者用の洗浄剤を使用すると効果が期待できます。
パイプクリーナーの使い方は次の通りです。
①窓を開けて喚起をする
②ゴミ受けを取り出す
③排水口に薬剤を流し込む
④所定の時間(15~30分程度)放置する
⑤水またはお湯(50℃位)で洗い流す
市販のパイプクリーナーはキッチン専用を使用し、商品に記載された手順で行ってください。
使う道具は次の通りです。
使う道具 | 費用 |
---|---|
パイプクリーナー | 200円~ |
ビニール手袋 | 100円~ |
ラバ―カップでキッチンの排水溝のつまりを取る!
ラバ―カップは、真空状態を作り出し、圧で水を動かす道具。
スッポン、通水カップなどとも呼ばれる。100均でも購入できる。
より強い圧がかけられ、水の飛び散りが少ない真空式の「真空式ラバ―カップ」もある。
価格は1,500円~。パイプクリーナー、真空式ポンプなどと呼ばれる。
画像引用)SANEI「真空式パイプクリーナー」
ラバ―カップを使う手順は次の通りです。
①ゴミ受けを取り出す
※ワントラップがあれば取り外す
②排水口にラバ―カップを密着させる
③ラバ―カップをゆっくりと押して、一気に引く
④ゴボという音がするまで③を繰り返す
使い終わったら、つまりが取れたかどうか、確認してくださいね。
ラバ―カップはよく洗って、天日干しで乾かしてから収納します。
洗剤を使うとゴムの部分の劣化が早くなりますので、避けてください。
ペットボトルでも代用可能。
ペットボトルの場合、ペットボトルに水を入れ、口を排水口の奥にある穴に差し込み、胴体部分を押す。
タオルの場合は、タオルを穴に差し込み、お湯を貯め、お湯がある程度貯まったら一気に引き抜く。
こちらの「タオルを使ってつまりを解消した様子が分かる動画」でイメージを付けてから取り組むとスムーズ。
ワイヤーブラシでキッチンの排水溝のつまりを取る!
ワイアーの先にブラシが付いた洗浄用の道具。
画像引用)SANEI「パイプクリーナー」
排水管の奥(0.5m~)の汚れを取る。パイプクリーナーとも呼ばれる。
こちらのように排水口の奥にある穴に差し込んで使うことが多い。
ワイアーブラシを使ってつまりを取る手順は次の通りです。
①ゴミ受けを取り出す
※ワントラップがある場合は取り外す
②ワイヤーブラシを排水口から入れる
③ワイヤーブラシを回転させながら汚れを削り取る
※水を流しながら行う
④終わったらゴミ受けを取り付ける
ワイヤーブラシは無理に入れると抜けなくなる恐れがあります。
また、排水口に落とさないよう注意が必要です。
手の感覚が大事ですので、DIY好きな人やDIY慣れしている人向けです。
使い終わったら、つまりが取れたかどうかを確認してみてください。
高圧洗浄機でキッチンの排水溝のつまりを取る!
水の圧力で洗浄する機械。台所の排水管に差し込むための専用のホースを使って線所する。
高圧洗浄を使ってつまりを取る手順は次の通りです。
①ゴミ受けを取り出す
※ワントラップがある場合は取り外す
②高圧洗浄機を排水口から入れる
③高圧洗浄機を動かす
※ワイアーがたるまないようにする
※ざらつきや引っか理を感じる箇所を洗浄する
④終わったらゴミ受けを取り付ける
このためだけに高圧洗浄機を買うのはおすすめしません。
高圧洗浄機の取り扱いには熟練の技が必要です。
それにパイプクリーナー(薬剤)やワイアーブラシを使って取れなかったつまりは、かなり厄介ですので、基本的にはプロに依頼することをおすすめします。
【キッチンのつまり対策③】排水溝の「排水管」を洗浄する
シンク(キャビネット内)にある排水用の管。
排水管は排水トラップから床下へ続いている。さらに、床下から屋外の排水桝につながっている。
排水桝は、台所で使われた排水にあるゴミが、公共の下水処理施設に移動しないようにするために設置されている。
ここまでの方法でもキッチンの排水溝のつまりが直らない場合、排水管のつまりの可能性があります。
洗浄する方法は4つあります。
>>パイプクリーナーを使う
>>ラバ―カップを使う
>>ワイアーブラシを使う
>>高圧洗浄機を使う
基本的な洗浄の仕方は排水トラップと同じですので、それぞれの方法をチェックしてみてください。
排水管のつまりはどのあたりで詰まっているのかの原因の特定が難しいです。
排水トラップの下から床下までの排水管・パイプや床下から屋外の排水桝の間の排水管、屋外の排水桝がつまっているかもしれません。
DIYの手間を考えると、原因の特定も含めてプロに依頼することをおすすめします。
>>プロに依頼する
【キッチンのつまり対策③】排水溝の先の「排水桝」を洗浄する
排水桝の説明。どこから引用。読み方は「はいすいます」。汚水枡とも呼ばれる。
排水管まで掃除をしてもつまりが解消されない場合、排水桝のつまりの可能性があります。
排水桝は屋外に設置されています。
そのため、家庭で出る汚れ以外にも、木の枝や葉っぱ、土砂なども詰まることもあります。
排水桝の洗浄の手順は次の通りです。
①排水桝の蓋を開ける
※開けにくい場合はマイナスドライバーを使用する
②排水桝の表面にある汚れを取り除く
※汚れはざるに入れて水切りをする
③底に溜まっている汚れを取り除く
④洗剤とブラシで排水桝を掃除する
⑤蓋を閉める
使う道具は次の通りです。
使う道具 | 費用 |
---|---|
ゴム手袋 | 100円~ |
柄杓(ひしゃく) | 100円~ |
マイナスドライバー | 100円~ |
バケツ | 100円~ |
ブラシ | 100円~ |
台所用洗剤 | 100円~ |
ざる(水切りができるもの) | 100円~ |
DIY慣れしている人の中には「台所の排水溝がつまったから」ということで、排水桝を掃除をする人もいます。
ですが、排水桝の汚れを取ったからといって、必ずキッチンの排水溝のつまりが取れるわけではありません。
排水トラップの下から床下までの排水管や床下から屋外の排水桝の間の排水管がつまっているかもしれません。
DIYの手間を考えると、原因の特定も含めてプロに依頼することをおすすめします。
>>プロに依頼する
キッチンの排水溝のつまり解消をプロに依頼した場合の「費用」と「選ぶポイント」
ここまでの方法で、キッチンのつまりが取れない場合、プロに依頼することをおすすめします。
簡単なつまりの場合の費用は8,000円~、プロ用のパイプクリーナーを使うなど特殊な器具を使う場合の費用は10,000円~です。
業者によって費用は大きく変わりますので、リーブナブルと評判の合の費用は8,000円~、プロ用のパイプクリーから見積もりを取ってください。
中には悪質な業者がいますので、次のようにサービスが豊富な業者は信頼性が高い業者です。
・支払い方法が豊富
・アフターフォローがある
・早朝、深夜も対応している
選ぶ際は、これらのポイントの優先順位を高くしてください。
暮らしの119番は365日対応しており、他社より高い場合は相談に応じるなどサービス力もありますのでおすすめです。
キッチンの排水溝のつまりが直った後のメンテナンス方法
キッチンが今後詰まらないようにするためのメンテナンス方法は次の通りです。
①油を流さない
②ゴミ受けにネットを被せる
③40℃~50℃のお湯をかける
④こまめに掃除をする
⑤定期的に薬剤を使用する
できるだけ油を流さないようにして、ゴミ受けには排水口ネットをかぶせておいてください。
油汚れがある洗い物をした後、排水口へお湯をかけると、固まった油分がやわらかくなり流れていきます。
ただし、熱湯は排水管を傷める可能性があるため、40~50℃の湯にしてくださいね。
掃除の仕方は、このページでご案内した「ゴミ受けの掃除をする」「排水トラップを洗浄する」をご覧ください。
キッチンの排水溝のつまりについてのまとめ
- キッチンの汚れは油汚れがメインなのでその洗浄をする
- 排水口や排水トラップの洗浄まではDIYがおすすめ
- DIYが難しい場合はプロに依頼する
キッチンの排水溝のつまりは、油汚れが主な原因ですので、排水トラップの掃除をする場合は、液性がアルカリ性の洗浄剤を使います。
排水溝付近の掃除は中性洗剤で大丈夫です。
アルカリ性の洗浄剤でケアしてもダメな場合は、シンク下の排水管~屋外の排水桝の間につまりがある可能性があります。
DIYが難しいので、このページでご案内した「プロを選ぶポイント」を参考にして、依頼するようにしてください。
・油汚れ
・食材のカス
・洗剤カス
・その他の異物