インテグラル錠とは?自分で交換する6つの手順と費用を具体的に解説

画像引用)GOAL 総合カタログ P286

「インテグラル錠が回らないので、自分で交換したい」
「インテグラル錠を交換して防犯性を高くしたい」

と考えている方へ。

インテグラル錠は昔から使われている錠前で、シンプルな仕組みのため、自分で交換できることが多いです。

ですが、正しい選び方や手順を踏まないと失敗してしまうことも。

このページでは、インテグラル錠を自分で交換するためのポイントを分かりやすくご案内しています。

>>インテグラル錠の選び方
>>DIYの費用と交換手順
>>外注費を知る

インテグラル錠とは?特徴やメリット・デメリットを解説(交換前にチェック!)

DIYで交換しやすいインテグラル錠ですが、そもそもどんなものなのかを知ることで、作業がスムーズになります。

特徴や仕組み、メリット・デメリット、似たような錠前との違いをご案内していきますね。

インテグラル錠について詳しい方は飛ばしていただいて大丈夫です

①インテグラル錠の特徴・仕組み

画像引用)GOALのカタログ P296

インテグラル錠は、ノブ(取っ手の部分)と鍵が一体型の錠前です。

扉の内側につまみ(サムターン)、外側のノブ(持ち手)に鍵穴(シリンダー)がついています。

サムターンを回したり、鍵を回したりすることでデットボルト(閂/かんぬき)が飛び出し、ロックが行われる仕組みです。

持ち手は握り玉のモノもあれば、レバーハンドルのものもあります。

次のような場所に使われています。

インテグラル錠がよく使われる場所
  • 玄関
  • 勝手口
  • トイレ
  • 浴室
  • 寝室
  • 子供部屋
  • オフィス
  • 更衣室
  • 書庫
  • 会議室
  • 資料室

交換する場合は次のパーツを覚えておくとスムーズです。

各パーツの名称と役割は次の通りです。

パーツ名役割
①フロント板錠前の扉内部の部品を守る金属製の板
②丸座錠を固定するためのパーツ
デッドボルト鍵を本締め(施錠)するボルトで、鍵やつまみ(サムターン)を回すと扉の側面から出入りする
④ラッチボルト扉を仮締めするボルトで、ドアノブを動かすと扉の側面から出入りする
サムターン室内側のつまみで、ここを回して施錠・解錠する
シリンダーノブの中に埋まっている円筒で、見えているのは鍵を指し込む鍵穴(キーウェイ)

写真と照らし合わせながら、各パーツの名称や役割を覚えると、交換時にとても作業がスムーズになります。

ぜひお試しください。

②インテグラル錠のメリット・デメリット

メリット デメリット
・安価
・耐用年数が長い(約10年)
・自分で交換できる
・合鍵を作りやすい
・防犯性が低い

インテグラル錠はシンプルな構造のため電気・電子錠などのキーレス錠と比べると価格が安く、交換費用や修理工賃がリーズナブルです。

電気錠の耐用年数は7年ですが、インテグラル錠は10年と長めです。

インテグラル錠のデメリットは、防犯性の低さです。2003年以降の玄関ドアにはほぼ使用されていません。

玄関ドアに使われなくなった経緯

インテグラル錠はピッキングやこじ開け、ドアノブのもぎり、サムターン回しなどがしやすく、簡単に不正侵入されてしまう

1999年ごろにインテグラル錠を狙ったピッキングによる不正侵入が多発した。

それを受けて、2003年に「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(ピッキング防止法)」という不正侵入を防ぐための法律が施行されて以降、玄関ドアには使われなくなった。

防犯性を高めるなら、少し値段は高いですが、ピッキング(不正解錠)しにくいディンプルキータイプを選んでください。

鍵にギザギザではなく、凹み(くぼみ)があるのがディンプルキーです。

この鍵については、こちらの「ディンプルキーとは?合鍵を複製する5つの方法」で詳しくご案内していますので、ご覧になってみてください。

参考)JLMA「錠の耐用年数についてのガイドライン」

③円筒錠との違い

インテグラル錠とよく似ている種類の錠前に円筒錠があります。

間違えて購入してしまわないように、違いを理解しておいてください。

こちらは円筒錠です。

画像引用)美和ロック「WEBカタログ」P162

扉の内側にプッシュボタンがあり、このボタンを押してロックします。

側面から見るとボルト(ラッチボルト)が1つだけです。

こちらがインテグラル錠です。

画像引用)美和ロック「WEBカタログ」P158

扉の内側にサムターン(つまみ)があり、これで施錠・解錠します。

インテグラル錠には2つのボルト(デッドボルトとラッチボルト)があります。

こちらに違いをまとめましたので、チェックしてみてください。

円筒状インテグラル錠
  • 扉の内側にプッシュボタンがある

  • ボルトは1つ(ラッチボルト)
  • サムターン(つまみ)がある

  • ボルトは2つ(デットボルト、ラッチボルト)
  • インテグラル錠→円筒錠への交換はできる?

    不可能ではないが、構造が異なるため、DIYの場合「木製のドアに穴を開ける」といった難易度の高いDIYをすることになる。

    また、円筒錠の方が防犯性が低いため、交換する利点がない。

    それでも「どうしても」という場合はプロへの依頼がおすすめ。

    なお、こちらはシリンダー錠です。

    最大の違いは、インテグラル錠はノブと鍵穴が一体型ですが、シリンダー錠はノブと鍵穴が別になっている点です。

    シリンダー錠については、こちら「シリンダー錠とは?」のページで詳しくご案内していますので、ご確認ください。

    交換用のインテグラル錠の選び方「3つのポイント」

    交換用の錠前を選ぶ際、大事なポイントは3つあります。

    インテグラル錠はホームセンターやネット通販で購入できますが、一度購入すると返品は不可なことがほとんどです。

    ですので、必ずこのポイントに沿って間違いのないモノを購入してくださいね。

    それぞれご案内していきます。

    ①メーカー・型番をチェックする

    メーカー・型番はドア側面のフロントプレートに刻印されています。

    メーカーと型番が同じインテグラル錠を用意できれば、ドライバー一本で交換できます。

    インテグラル錠のメーカー例

    MIWA
    GOAL
    U-SHIN SHOWA
    ALPHA
    など

    各メーカーで種類を豊富に取り揃えています。

    例えば、ノブ1つとっても2022年のカタログにはGOAL社だけで17種類あります。

    また、MIWAのある製品はスピンドル(取り付ける溝)が2つですが、GOALはスピンドルが1つだけなど、注意が必要です。

    それでも、メーカーと型番が分かれば種類をスムーズに見分けられます

    ②廃盤の場合はユニバーサルドアノブで代替可能

    もし該当のインテグラル錠が廃盤となっていても、「ユニバーサルドアノブ」という代替品がありますので、ご安心ください。

    画像引用)株式会社フキ「ユニバーサルドアノブ-55」

    ユニバーサルドアノブとは?

    株式会社フキの商品で、ほぼ全てのドアメーカー(LIXIL、YKK、三協、三和、不二サッシ)や錠前メーカー(美和ロック、GOAL、ユーシンショーワ、アルファ、AGE、エージェント、家研販売)のインテグラル錠と取替え可能な万能型の交換用インテグラル錠。

    ユニバーサルドアノブは、何を重視するかで選び方が異なります。

    重視するポイントの例選ぶ製品
    防犯性の高さディンプルキー対応の「ユニバーサルドアノブ-68」
    価格の安さピンシリンダー対応で安価な「ユニバーサルドアノブ-55」を選ぶ
    使い勝手の良さレバーハンドル型の「ユニバーサル取替レバー-64」を選ぶ

    ③サイズを計測する

    インテグラル錠の場合、次の4ヶ所のサイズを計測してください。

    ユニバーサルドアノブを使う場合でも必ずサイズを計測してくださいね。

    サイズ計測する箇所概要
    ①ビスピッチ
    フロントプレートのネジ間の距離を測定
    ②バックセットドアノブ中心からドアの端までの最短距離を測定
    ③フロントプレートドア側面のフロントプレートの縦横サイズを測定
    ④ドアの厚みドアの縁から縁のサイズ
    ※枠があり厚くなっている場合は、その分差し引いて計算

    サイズを計測しないと、次のような不具合が生じます

    • ビスピッチが合わない

    穴を広げたり、埋めたりといったちょっとした工事をすることになります。

    • バックセットが合わない

    取り付けるノブの位置がずれてドアに穴が開いたままになってしまいます。

    • ドアの厚みが合わない

    インテグラル錠のケース一式がドアに収まらなかったり、グラグラになったりしてしまいます。

    • フロントプレートの縦幅・横幅が合わない

    ドア本体に穴を開けることになり、一気にDIY難易度がUPします。

    インテグラル錠を自分で交換する費用と手順を解説!

    インテグラル錠の仕組みや構造を理解し、最適なインテグラル錠を選ぶことができたら、いよいよ交換です。

    かかる時間は、慣れている人で15分~、DIYに慣れていなくても、1時間ほどあれば交換できます

    ここからは自分で交換する場合の費用と手順をご案内します。

    インテグラル錠をDIYで交換する費用

    道具費用
    錠前本体3,000円~
    プラスドライバー100円~
    マイナスドライバー100円~
    メジャー100円~
    ゴム手袋100円~
    合計3,500円~

    インテグラル錠の交換に必要な道具と費用は上記の通りです。

    道具は100均でそれ得られます。もし道具が家にあるならそちらをお使いください。

    通販サイトで錠前を購入する場合は別途送料がかかります

    交換の「3つの手順」

    手順簡単な説明
    ①古い錠前を取り外す取り外す順は、①内側ノブ→②丸座裏金→③外側のノブ→④フロントプレート
    ②新しい錠前を取り付ける取り付ける順は、①フロントプレート→②外側のノブ→③丸座裏金→④内側
    ③正常に施錠・解錠できるか確認実際に作動させて間違いなく交換できたか確かめる

    この3つの手順に沿って進めることになります。

    こちらの動画(3分)と照らし合わせながら、手順をイメージしてみてください。

    取り外し方は大事なポイントなので、詳細をご案内しますね。

    インテグラル錠を外す流れ
    1. 内側のノブの丸座を回して内側のノブを外す
    2. ドライバーで丸座裏金のネジをゆるめ、外側のノブを外す
    3. ドライバーでフロントプレートのネジ(ビス)をゆるめ、取り外す

    先ほどの動画の01:10~を見て、イメージをつけてみてください。

    続いて、取り付け方の詳細をご案内します。

    インテグラル錠の取りつける流れ
    1. フロントプレートをドアに嵌め込む
    2. プラスドライバーでネジ(ビス)を締めて固定する
    3. ラッチボルトの尖っている方がドアの開く側になるように嵌め込む
    4. 外側のノブを仮止めする
    5. 丸座裏金を嵌めドライバーで本止めする
    6. 丸座裏金に内側のノブを差し込む
    7. 付属の取付スパナをノブ下部の穴にかけながら回して固定する
    8. 鍵がかかっていない状態でサムターンが縦になっていることを確認する

    先ほどの動画の01:53~を見て、イメージを付けてみてください。

    製品によって外し方や取り付け方は多少異なりますが、おおよそこのような方法で完了します。

    インテグラル錠を他の錠前に交換する

    インテグラル錠は、

    • 種類がよく似た円筒錠への交換は難しい
    • 防犯性が高いディンプルシリンダーに交換できる

    とご案内しました。

    ここではレバーハンドルやスマートロックへの交換についてご案内いたします。

    インテグラル錠をレバーハンドルに交換する費用

    インテグラル錠のノブを握り玉からレバーハンドルに交換することはできます。

    DIYの場合は、次のような費用と時間がかかります。

    • 費用:レバーハンドル代 5,000円~
    • 時間:15分~

    必要な道具は、プラスドライバー、マイナスドライバー、メジャーです。

    業者に依頼する場合の費用相場は15,000円~です。

    その内訳は次の通りです。

    • 工賃:10,000円~
    • 本体部品代:5,000円~

    インテグラル錠をスマートロックに交換する費用

    インテグラル錠から両面テープを利用したタイプのスマートロックへは、DIYで交換できる場合があります。

    次のような費用と時間がかかります。

    費用:スマートロック代5,000円~
    時間:15分~

    プロに依頼する場合はスマートロック代を含めて50,000円~です。

    こちらは、株式会社ユーシン・ショウワの電子錠「SADIOT LOCK(サディオロック)」を取り付けている動画(約12分40秒)です。

    交換するには、あなたの家の玄関に適したものを選ぶ必要があります。

    最も多い失敗するパターンは「購入してから、取り付けられないことが分かった」というものです。

    失敗しないために、こちらの「電子錠を自分で取り付ける方法」をご覧になってみてください。

    インテグラル錠の交換をプロに依頼した場合の費用と時間

    費用項目金額
    見積もり費0円~
    出張費0円~10,000円
    工賃10,000円~
    部品代5,000円~
    合計15,000円~

    工賃は鍵の種類や交換の難易度で変わります

    出張にかかる時間は合鍵業者と現場の距離にもよりますが、全国に店舗がある会社の場合、5分ほどで到着するケースがあります。

    作業時間は現場に到着してから速ければ10分ほど、一般的には約30分ほど、難しい場合でも当日中に解決することが殆どです。

    まれに悪質な業者がおり、トラブルが消費相談センターへ寄せられています。

    悪質業者とトラブルになるのは次のようなケースです。

    • 見積もりを取らずに依頼する
    • 見積もりの内容を理解せずに依頼する
    • 相場を知らずに依頼する

    ですので、次のようにして良心的な業者を選ぶようにしてください。

    良心的な業者を選ぶポイント
    1. 複数社の見積もりを比較する
    2. アフターサービスが充実しているか確認する
    3. 経験豊富かどうかチェックする

    実績が豊富ということは、利用者が多く評判が良い可能性が高いです。

    「防犯設備士」などの資格を取得しているところであれば、より安心です。

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    インテグラル錠を交換したら寿命を延ばすメンテナンスをしよう!

    今回、次のようなことがあって、インテグラル錠を交換されたかと思います。

    交換のタイミング理由・原因
    鍵を失くした時鍵を不正使用される可能性があるため
    身の周りが物騒だと思った時セキュリティが低いと不安であるため
    引っ越しして賃貸物件に入居する時前の住人の使用していた鍵であるため
    錠前や鍵が錆びた時湿気が多い、塩害
    鍵の動作不良が起こった時(回らない・刺さらない・抜けないなど)変形、砂埃、経年劣化など

    JLMA(日本ロック工業会)ではインテグラル錠などの一般錠前の耐用年数を10年と定めていますが、あくまで参考の数字です。

    「築年数が長い」「木製の扉」「海が近い」「湿気が多い」「白アリが出る」などの条件や環境、使用頻度によって短くなります。

    できるだけ寿命を延ばすには、次の3つのポイントに取り組んでみてください。

    インテグラル錠の寿命を延ばす3つのポイント
    1. 定期的なメンテナンスを行う
    2. ドアや鍵を丁寧に扱う
    3. 鍵専用の潤滑剤を使う

    メンテナンスとは、定期的に掃除機で鍵穴を掃除したり、歯ブラシなどで鍵の汚れ取り除いたりすることです。

    鍵の抜き差しが滑らかになり錠前の故障を防ぐことができます。

    ドアや鍵を乱暴に扱うと破損や変形の原因となります。

    次のような行為を無意識にやってしまっていますので、意識して丁寧に扱うようにしてください。

    • ドアをバンッと閉める
    • 鍵をガチャガチャ鳴らす
    • 無理やり回す

    また、市販の潤滑剤には油が含有されているものが多いです。

    そのため、鍵穴に使用すると、鍵穴の中にゴミや埃が付着しやすくなります

    必ず鍵専用のものを使うようにしてくださいね。

    参考)JLMA「錠の耐用年数についてのガイドライン」

    インテグラル錠のまとめ

    このページのまとめ
    • インテグラル錠はDIYでも交換できる
    • 防犯性が低いので他の錠前に交換する人が増えている
    • 外注するなら複数の業者から見積もり取る

    インテグラル錠は自分でも交換できますが、製品を選んだり、サイズを測ったりする手間がかかります。

    防犯意識の高まりから、防犯性の低いインテグラル錠からスマートロックなどの錠前に交換する人が増えてきています。

    インテグラル錠の交換や他の鍵への変更には、相応の手間と時間がかかりますので、「暮らしの119番」依頼することをおすすめします。

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