浴室の汚れと言えば壁や床についている水あかやヌメリ、排水溝の汚れ、鏡のウロコといったものが思い浮かぶと思います。
これらの汚れは目につきやすいため気付くことも多いですが、浴室には他にも目につきにくく汚れが溜まりやすい箇所がたくさんあります。
その代表例の一つが、追い焚き配管です。
追い焚き配管の汚れは目につかないため、知らず知らずのうちに汚れが溜まり、雑菌も繁殖してしまいます。そのまま知らずに放置してしまうと、追い焚き機能を使うたびに配管内部の汚れや雑菌が浴槽内に流れ出し、体に悪影響が出る可能性もあります。
そのためこの記事では、この追い焚き配管について着目し、ハウスクリーニングでの清掃方法や自分たちで出来る掃除方法について紹介をしていきます。
浴室のハウスクリーニングを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハウスクリーニングとは
ハウスクリーニングとは、自宅の掃除を清掃専門業者が代わりに行ってくれるサービスのことを指します。
普段掃除をする時間が取れない方や、自分では綺麗にすることが難しい箇所の掃除を依頼したい時に利用することが多いです。
ハウスクリーニングの他にルームクリーニングやホームクリーニングと呼ばれることもありますが、基本的に内容やサービスに違いはありません。
ハウスクリーニングを行っている業者は、「清掃専門のハウスクリーニング業者」と「家事代行業者」の2つがあります。
「ハウスクリーニング業者」は「清掃専門業者」を指すことが多いため、こちらの記事でも「ハウスクリーニング業者＝清掃専門業者」として表します。
ではそれぞれの特徴について見ていきましょう。
清掃専門業者（ハウスクリーニング業者）
清掃専門業者は、清掃を専門に行っている会社です。
いわゆる掃除のプロ集団で、一般的な掃除では綺麗にならない頑固な汚れや、手が届かない箇所を綺麗に掃除してくれます。
例えば、エアコン内のフィルター清掃やレンジフード清掃、お風呂場の黒カビ除去などです。
毎月のように依頼することはありませんが、購入してから年月が経ってしまった家電や、年に一度の大掃除、引っ越し前の大掃除といった場面で利用される方が多いようです。
多くの業者は予定を合わせて見積もりを行い、実際の金額を算出してから依頼するかを決めることができます。
見積もりを無料で行ってくれる業者も多いため、検討してる方は一度相談してみると良いかもしれません。
家事代行業者
家事代行業者は、家事代行サービスの一つとして清掃を行なっています。
こちらは自宅にある清掃道具を使って家を綺麗にしてくれるため、専用の清掃道具を使って掃除する清掃専門業者と比べると掃除できる範囲が制限されます。
そのため、家事代行業者は普段の生活が忙しく、自宅を掃除するまで手が回らない時に役立つサービスと言えるでしょう。
実際に家事代行業者を利用している方の多くは、月に1回や2週間に1回など定期的に依頼をしています。長年の汚れを落としてもらうというよりは、床清掃やお風呂掃除といった日々の掃除を行なってもらい、綺麗な状態をキープしてもらうサービスと考えましょう。
追い焚き配管の清掃はハウスクリーニング業者に依頼しましょう。
追い焚き配管は取り外したりすることができず、専用の機材や洗剤を使ってクリーニングをすることになります。
無理に清掃しようとするとかえって故障の原因になる可能性もあるため、ハウスクリーニング業者に依頼した方が安心です。
追い焚き配管が汚れる理由
では、まず追い焚き配管が汚れてしまう理由について確認していきましょう。
追い焚き機能とは浴槽にたまった水を配管を通して給湯器と循環させ、水の温度を上げる仕組みです。そのため、浴槽にたまった皮脂汚れや石けんカスなどが配管内部を通ることになります。これが長い時間を経て配管内部に付着、蓄積されていくことで汚れていきます。
また、常に湿気や汚れがあるところですので、雑菌も繁殖しやすい環境にあります。特に小さな子供は、雑菌によって感染症にかかってしまう可能性があります。
追い焚き配管に潜む雑菌：レジオネラ菌
追い焚き配管で繁殖する細菌の中で最も恐いのが「レジオネラ菌」です。
人体に影響がある菌ですので、こちらで確認しておきましょう。
＜レジオネラ菌＞
レジオネラ菌は河川などの自然界に生息する細菌の一種です。
36℃前後で繁殖しやすいため、お風呂のお湯と近い温度で繁殖します。
レジオネラ菌に感染すると「レジオネラ症」を発症します。
レジオネラ症は潜伏期間が２〜10日ほどあり、その後重度の肺炎を起こす「レジオネラ肺炎」もしくは、軽症の「ポンティアック熱」などを発症します。
レジオネラ肺炎は全身の倦怠感や頭痛、食欲不振などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、呼吸困難などが見られます。
まれに心筋炎等の症状が起こることもあります。
また意識レベルの低下や幻覚、手足の震えなど中枢神経に関わる症状が見られるのもレジオネラ肺炎の特徴とされています。場合によっては命に係わる非常に恐ろしい病気です。
一方ポンティアック熱は、発熱、悪寒、筋肉痛等の症状が出ますが、一過性のもので自然に治癒していきます。
このように、場合によっては命に関わる病気に感染してしまう可能性もあるため、追い焚き配管は定期的に綺麗にすることが大切です。
追い焚き配管のクリーニング方法
追い焚き配管の掃除を放置してしまうと、非常に危険な細菌が繁殖する可能性があることが分かりました。では、実際に追い焚き配管のクリーニングを依頼した場合、どのように綺麗にしてくれるのか確認しておきましょう。
作業手順
- 給湯口の蓋の清掃
- お湯の汚れ具合をチェック
業者によって方法は様々ですが、雑菌の量や酸性度などを専用の機材を使って測定します。 - 専用洗剤と機材を使って配管内の清掃
こちらも業者によりますが、マイクロバブルを発生させる機器を使い、配管内部の汚れを綺麗にしていくことが多いようです。 - すすぎ洗いをして完了
追い焚き配管清掃では、特殊な機材を使用して綺麗にすることが多いです。
こちらは浴室のハウスクリーニングと一緒に清掃することが多いため、検討している方はぜひ追い焚き配管のクリーニングも考えてみてください。
追い焚き配管クリーニングのメリット
追い焚き配管のクリーニングをすると、汚れや雑菌の除去の他にも様々なメリットがあります。
- 配管内部のサビや雑菌、水あかの除去
- 配管内部の防サビ効果
- お子様やお年寄りの感染症対策
- アトピーやアレルギーの対策
このように追い焚き配管を綺麗にすることで、人体に影響する雑菌を減らし、配管を長持ちさせることができます。汚れをしっかり除去して、綺麗なお風呂につかりましょう。
自分たちでできる清掃方法
ハウスクリーニングに任せて綺麗にすることも良いですが、費用などを考えると自分で掃除をしたいという方もいるでしょう。
こちらではハウスクリーニングに頼らず、自分で追い焚き配管の清掃をする方法について説明をしていきます。
追い焚き配管には2種類のタイプがある。
追い焚き配管には「1つ穴タイプ」と「2つ穴タイプ」があります。
浴槽の中にカバーの付いた穴が1つだけであれば「1つ穴タイプ」、２つあれば「２つ穴タイプ」です。
どちらのタイプでも清掃方法に大きな変わりはありませんが、「1つ穴タイプ」はお湯の出入りの勢いが激しいため、比較的汚れが付きにくく、「2つ穴タイプ」は水やお湯の出がゆっくりのため、汚れが溜まりやすい特徴があります。
追い焚き配管の清掃手順
では実際に清掃の手順を見ていきましょう。
準備するもの
酸素系漂白剤（市販の配管クリーニング洗剤がおススメです。）、ゴム手袋
清掃手順
- 配管口の上までお湯をためる
この時、お湯の温度は高くしすぎないことが重要。約40℃程度 - 酸素系漂白剤を投入してよく溶かします
市販の洗剤であれば容量通り、酸素系漂白剤であれば100Lあたり200g
肌荒れ防止のため、混ぜるときはゴム手袋を必ず着用しましょう。 - 追い焚きをして配管に洗剤を行きわたせる
追い焚きは約50℃程度が目安 - 数十分から1時間程度放置
- 栓を抜き、お湯を捨てて再度お湯を配管口の上までためる
- 再度追い焚きをした後に、お湯を抜く
- 汚れを洗い流して完了
以上が、追い焚き配管の清掃手順です。
お湯を多く使用しますが、洗剤の力で配管内が非常に綺麗になります。
自分でも数か月に1回は清掃できると良いでしょう！
ハウスクリーニングではより綺麗にしてくれますので、もし自分で掃除をしても不安な方は一度相談してみてください。
まとめ
今回は追い焚き配管のハウスクリーニングについて紹介をしてきました。
普段あまり目につかない箇所ですが、放っておくと雑菌が繁殖し、体に影響が出てしまうかもしれない恐ろしい箇所です。
自宅の追い焚き配管を清掃した記憶がない、一度綺麗にしてから時間が経ってしまったという方は、ぜひハウスクリーニング業者に相談してみましょう。
特に小さなお子様やお年寄りのいる家庭は、ぜひハウスクリーニングを検討してみてください。
